すにっどやまゆー師のシャッフル考察
 
 
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更新・2001/10/26
 
 
ではでは洛陽BBSの予告どおりシャッフルについて考えてみたいと思う。
 
 
シャッフルはカードを切り混ぜ新たな配列に組み替える作業だ。
シャッフルを行ったあとどういう風にカードが配列されているとプレーヤーに有利になるのだろうか?ちょっと考えてみて欲しい。
では、実際のゲームの場面を想定して考えていくことする。
 

 
仮にあなたが後攻を選択していて、はじめの手札を引いたとしよう。
 
あなたは、あなたのデッキの上よりまず7枚のカードを引く。そして見る。
この時手札に、土地が2つから3つあることを多くのプレーヤーは喜ぶはずだ。
もし、あなたの組んだデッキが1マナのみで動けるデッキでないならば。
 
引いた7枚に土地が1枚か、全くなかった場合土地事故を引き起こして負ける可能性は高くなる。
土地が1枚しかなくて、その後の1回のドローで土地を引く確率は
 
(残りの土地の枚数)/(残りのライブラリーの枚数)となる。
 
20枚の土地を入れていたとして
(20−1)/(60−7)
  ≒ 概ね3分の1となる。
 
手札にある1枚の土地+2回のドローで引いた2枚の土地で、2ターンまでに、土地を3枚手に入れることが出来るのは
 
3分の1×3分の1
  = 概ね9分の1の確率になるのだ。
 
この時、あなたはこの3枚の土地で、3ターン目に3マナの呪文を使うことになるだろう。
 
 
 
ドロー2回の2ターンで手札の1枚+ドローが0枚となるのは
3分の2×3分の2=概ね9分の4となる。
ドロー2回の2ターンにて、手札の1枚+ドロー1枚土地2枚となるのは
1−9分の4−9分の1=概ね9分の4だ。
2ターン目で2枚の土地が約2分の1の確率で手に入ると解釈できる。
ここまで考えて分かる重要なことの一つは、手札に土地が1枚しかない時は2ターン目でも半分の確立で1マナでプレーしなといけないということだ。
その後もドロー1回で土地が出る確率は3分の1程度でしかない。
 
先攻の場合はドロー2回3ターンなので初手札の土地の数が少ないというのはとても大きなマイナスアドバンテージとなる。
 
 

 
さてシャッフルについての考察なのに今だにシャッフルについて何も語っていないと思わないで欲しい。
シャッフルの意味は土地の出方を考えずには語れないのだ。
何故ならシャッフルは、デュエリストなら何度となく経験している土地事故と大きな関連をもっているからだ。
土地事故は何故おきるのだろう。
幾つかのケースが考えられる。
 
一つには運が全くないケース。
これはあきらめるしかない。でも人間そう悪い時ばかりではない。
いい時もあるものだ。長い間には確立に見合ったものを得ていることが多いだろう。
 
デッキの中に土地が少ない。必要な時に必要なマナが出ない。または土地が多すぎのケース。
必要なマナの割合は各プレーヤーを悩ませる。この点は今回はあんまり関係ないのでパスゥ。
研究しましょう。
 
デッキの配列が悪く偏っているケース。そうこれこそがシャッフルと密接な関係をもっている。
 

 
さてここであなたには再び仮想のプレーをしていただく。
あなたは、おもむろに、HJの限定版ギャザガールケースから自慢のデッキを取り出した。
先日友達をけちょんけちょんに叩きのめした強力デッキだ。
さあいざデュエルるるるるるるるうう!ごごごごごご(※ジョジョ風に)
(※これはむしろ怠惰大元帥がやりそうなことである。)
ところが初め手札に2枚の土地がでて以来5ターン目になっても土地がでない。
6ターン目祈るような気持ちでドロー。しかーーーし!?!やはり土地がでない。
あなたは、本当にこのデッキには土地が20枚入っているのだろうかと我を疑ってしまう。
7ターン目ようやく土地を引いたあなたはおもむろに手札で休んでいた3マナのクリーチャー呪文を演じる。
・・・だが、相手はすかさず「対抗呪文」もしくは「黒っぽい破壊呪文」または「真っ赤なダメージソース」でせっかくのクリーチャーは墓地へと落ちてしまうのだった。
次の8ターン目に入る時、すでにあなたのライフは僅かになり相手には強力なクリーチャーが登場済み。
しかし、やっとのことで1体のクリーチャーを場に出すことができたのだった。
しかし、あなたは結局9ターン目を迎えることなく撃沈してしまう。
こういうのを一般に土地事故と言う。
 
どんなことをしようと土地事故を「完全」に防ぐ手段はない。反則である意図的にカードの順番をコントロールする意外には。
しかし、土地事故が起きる確立を減らすことは出来る。土地事故を減らすためのシャッフル作法のようなものはある。
それほど難しいことではないがシャッフルという作業を軽く見てはしょるべきではないと思う。
 
 
 
 

>シャッフルで何が違ってくるのか?

 
 
 
先ほどの例について考えてみよう。
 
あなたは先日は友達をかなり押して勝っている。
その時はきっと理想に近い感じで土地が出てきたに違いない。
ライブラリーのコストパフォーマンス以上に手札に土地カードが手に来ていたと思う。
勝負が終わってちょと興奮しながらあなたはカードをしまっていたことだろう。この時どのようにカードがしまわれるのだろうか。
土地カードを置く場所は特定の場所なので、そのカードを集めたときに土地カードが連続した状態になりやすい。
つまり偏りが生じているはずだ。
シャッフルがこの偏りを修正する作業ということはあなたも理解していることに違いない。
 
あなたは、どんなふうにシャッフルしているのだろうか。
トランプでよくやる様にデッキの真ん中を抜いてそれを上に数回載せるやりかたで、切っているのだろうか。
でも、さすがにこのシャッフルではカードの偏りを良い状態に修正することはできないと感覚的にも理解できる。
 
 
 
 
それではもっと簡単でやりやすい組みなおし効果の高いシャッフルをしてみよう。
 
ライブラリーを二つの山に分けそれを両方からカードスリーブの角の薄さを上手に利用して概ね交互にさし合わせるやり方だ。
 
この方法では「土地」「土地」「土地」「土地」となっていたものに
「土地」「壱」「土地」「弐」「土地」「参」「土地」「四」となって少なくとも土地と何かのカードが交互になることができる。
 
あなたが1回のシャッフル後のこの部分がライブラリーの一番上に来てそして手札を7枚引いたとしよう。
あなたは手札に4枚の土地を引くだろう。
プレーできるカードは3枚以下となる。仮に「壱」のカードが土地だったら、あなたは5枚もの土地を引いてしまう。
これをあなたは喜ぶだろうか?
 
「弐」「参」「四」のカードが3マナ以上の呪文カードだったならあなたは3ターン目まで最悪もっと先のターンまで沈黙して土地を出すだけということになる。
意識すべきなのはこの土地の集まっている部分が一度のシャッフルでは出来る可能性が非常に高いということだ。
例の様に4枚土地が並んだ状態で先の様なシャッフルをした場合、ある部分での土地を引く確率は2分の1以上になってしまうということが理解いただけるとおもう。
あなたはこの事実を喜べるだろうか。さてこれだけでは不足しているので補足をしておく。
2分の1以上の土地を引く場所があるということは、逆に3分の1の確率より土地を引けない場所が出てきてしまうということだ。

60−8=52
20−4=16
16÷52=0.308
(他の52枚の部分は、土地を18枚にした時の土地を引く確率に匹敵する。)
0. 333−0.308=0.025
 
他の部分で土地を引く確率は低下する。土地を引かない事故も発生する可能性が高くなる。
もっともこれは他の部分がよく混ざった場合でのことだ。
残りの部分で土地が同様の偏りを生じていたならもっと悲惨だ。ちなみに「壱」と「四」が土地だったら
 
60−8=52
20−6=14
14÷52=0.269
(他の52枚の部分は、土地を16枚にした時の土地を引く確率になる。)
333−0.308=0.025
 
この様に、土地の濃い部分を引くか土地の薄い部分を引くかしたときは、あなたのもっているデッキのパフォーマンスはがたがたになってしまうに違いない。
これではどんな土地比率を考慮しても安定した勝負は望めない。
 
その事に気がついたからといってカードを表にして意図的にカードをばらけさすような行為は明らかに反則だからしないように。
意図的にカードの順番をコントロールするならもうはやマジックなどつまらないゲームとなってしまう。
 
それであなたはシャッフルする回数をも一回増やすことにした。
そのおかげで
 
「土地」「土地」「土地」「土地」

「土地」「壱」「土地」「弐」「土地」「参」「土地」「四」
になりさらに
「土地」「五」「壱」「六」「土地」「七」「弐」「八」「土地」「九」「参」「十」「土地」「壱壱」「四」「壱弐」
となった。
 
4枚の土地は規則正しくその間に3枚のカードを招き入れることになる。
ここまでくれば上の図式からみて概ね確率通りの結果が期待できそうに思える。
やまゆーもシャッフルとして概ね完成していると考える。
おそらく土地の出る確率はあなたが狙った確率となっていることだろう。
 
 
 
だが、しかし、これにもまだ落とし穴が隠れている。
あなたが勝負を終えたとき土地は同じ種類が隣り合うように配列していないだろうか。
場に「山」「森」「山」「森」「沼」「山」みたいに土地を置く人はあまりいない。
たいがい「山」「山」「山」「森」「森」「沼」のように配列するはずなのだ。
 
「土地A」「五」「壱」「六」「土地B」「七」「弐」「八」「土地C」「九」「参」「十」「土地D」「壱壱」「四」「壱弐」
と配列されたライブラリーの土地が
「土地A」「土地B」・・・・「土地F」=「沼」「森」「森」「山」「山」「山」
であったならば
4番目の土地Dを引くまで「山」を引く可能性は下がることだろう。
 
あなたが「山」をメインの色とするなら、間に入った9枚のカードに「山」がなかったらあなたはとても不利になることだろう。
逆にデッキ中に4枚入れて15分の1の確率で出てきて欲しい土地が全く出てこないということにも繋がってしまう。
デッキ中に3枚投入した森が場にでて集められることで、次のデュエルでは5枚の中に2枚引くところと55枚の中に1枚しか引けないところが、かなりの率で出来てしまうことになりかねない。
 
前の勝負で出来た土地の配列をいったんばらけさせ配列を組みなおすことにはやはり意味があると思われる。
つまり先にあげたようなシャッフルを2回繰り返しただけではデッキが色事故を引き起こす可能性は高くなってしまうのだ。
色事故がおきればデッキのパフォーマンスは低下し回らないデッキとなるだろう。
 
 
 
少ない「切り札」のようなカードは先の例の「森」のように場に集とどまり集まる傾向がある。
切り札が適度にばらけられないデッキが安定して強いわけはないのだ。
たいがい序盤では切り札はただのベンチウオーマーなのだから。
 
この配列を崩すために先ほどのようなシャッフルでは3回以上のシャッフルをすることがもとめられる。
2枚しかないカードが並んでいてそれの間をあけようとするなら4回以上シャッフルするべきだ。
 
1回 間には1枚カードがある
2回 〃    3枚  〃
3回 〃    7枚  〃
4回 〃   15枚  〃
5回 〃   31枚  〃
 
4回までに15枚のカードが二つの同じカードの間に挿入されることになる。
このくらいカードとカードの間に他のカードが入れば、後で軽くトランプ混ぜをするだけで、切り札は期待通りの確率で引けて期待に答えてくれそうだ。
 
 
 
私は仕切りなおしでは幾つかの山に分ける切り方をしている。ばらけが悪いときは最低2回はこのシャッフルをするのだ。
これは先の例にあげた4回シャッフルする効果に等しい。そして気分転換※にもなる。
(※相手をイライラさせる効果もある?)
 
新しいデッキを組みなおした後の土地の固まった状態では、山わけシャッフルでも1回では不十分だ。
1回では6つの山で一山10枚ならば山のある部分に土地が3枚から4枚の層を持ってしまう。
これをさらにばらすためには2回目のシャッフルは欠かせない。
 
さて、どうだろう、これであなたのデッキも無駄な土地事故など起こさなく成ったに違いない。
それでも起きた土地事故は運命と思うか土地の配分に問題があると思って研究してみて欲しい。
 
 
 
 
 
 
最後に…
 
 
 
カードは適度に混ざり適度に偏っているのがプレーに一番良い。多少偏っている部分を引いた方が勝つ可能性は高いのだ。
それは手札に土地が2枚くる確率にしておいてその時3枚の土地を引いたなら、それは大きなアドバンテージと言えるからだ。
その後には、より多くの呪文カードを効率よく相手にぶつけられるに違いないのだから。
もし土地を1枚しか引けなかったらマリガンすればいい。
残りの2回のチャンスに適度に偏ったカード配列が来ることを期待しよう。
あなたのシャッフルはその可能性を整えているはずだから。
 
 
 

 
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