第4話・「突風売りDetah!」
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皆さん「デモコンデス/DemoCon Detah」という言葉を御存じだろうか?
Demonic Consultationというカードの使い所を誤った結果、もたらされる悲劇のことである。
- Demonic Consultation(悪魔の相談) 黒 インスタント アイスエイジ アンコモン
- カード名を1つ指定する。あなたのライブラリーの一番上のカードを6枚ゲームから取り除く。
- そのあと、指定したカードが公開されるまであなたのライブラリーの一番上のカードを公開し続ける。
- そのあと、指定したカードをあなたの手札に加える。公開した残りのカードをゲームから取り除く。
要するに、最初に取り除く6枚の中に指定したカードが全て入っていた場合、ライブラリーが切れて負けてしまうのだ。
実際に2000年の京都グランプリの決勝戦でも起こった、恐怖の出来事である。
しかし世の中にはまだまだ恐ろしいことがあるのである…
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それはやまゆー師が怠惰大元帥邸宅に泊まりに来た夜に起こった……
その夜にやまゆー師が用意したデッキは「突風売りデッキ」
「突風売り」に「アルマジロの外套」を付けて相手だけにダメージを与えるというデッキである。
そしてこのデッキは当時のスタンダードであった。
渋谷系デュエリストチームの対戦にはフォーマットは関係無い。みんな好きなカードを使用する。
にも関わらず、1人すにっどやまゆー師だけはスタンダードを守り続けている。
弟子(?)の怠惰大元帥も影響されて、最近はスタンダードのデッキを使用するようになった。
ともあれデュエル開始。
双方序盤の攻防を繰り広げる中、「突風売り」が登場した。
多くのダメージを食らいながらもやまゆー師は怠惰大元帥の攻撃をギリギリでかわしていた。
残るライフは3点ながら、次ターンの反撃での勝利は確実だった。
「う〜ん…まいったなぁ。」
怠惰大元帥はどう考えてもブロックしきれない現状に頭を抱えている。
手札に使えるカードは無い。
無駄に立っている土地は6枚あった。
しかしその土地から出るマナをどう使えば…
途方に暮れてやまゆー師のクリーチャー群に目をやる。
「突風売りかぁ…」
- 突風売り Squallmonger 3緑 クリーチャー ― モンガー 3/3 メルカディアンマスクス アンコモン
- (2): 突風売りは、飛行を持つすべてのクリーチャーと、すべてのプレイヤーに、それぞれ1点のダメージを与える。
- どのプレイヤーもこの能力をプレイしてよい。
「……………」
突風売りは、飛行を持つすべてのクリーチャーと、すべてのプレイヤーに、それぞれ1点のダメージを与える。
どのプレイヤーもこの能力をプレイしてよい。
「……………」
どのプレイヤーもこの能力をプレイしてよい。
「……………あ」
パタパタパタと土地をタップする怠惰大元帥。
「突風売りの能力を3回使います。」
「あぁ〜!」
残り3点のやまゆー師のライフは綺麗に0になった。
「突風売り」に「アルマジロの外套」はまだ付いていなかった。
これが「デモコンDetah」ならぬ「突風売りDetah」の顛末である。
自分の「突風売り」に殺されたやまゆー師は鉄人のリモコンを奪われた正太郎君の気持ちが分かっただろうか。
次ぎのゲームでも連続で「突風売りDetah」を味わったやまゆー師は、デッキから抜き取った「突風売り」を忌々しそうに見つめていた。
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