第3話・「たった2枚の開門が!」
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それは先述の「アポカリプス発売記念、箱買い限定チーム戦」の終盤に起こった。
怠惰大元帥はしかめっ面をしていた。
ゲームはそれほど不利ではない。
Mackyのクリーチャーを強化するエンチャントは次々とプレイできたのだ。
見事な連係。
限定戦では考えられないグッドなプレイングだった。
しかし、カードを引く度に怠惰大元帥の眉間のシワは深くなった。
なぜだろうか???
その謎は、ゲームから抜けたやまゆー師が、暇を持て余し怠惰大元帥の手札を覗き込んだ時に解けた。
やまゆー師はそこに仲良く2枚並んだ同じカードを見た。
「……………これ、デッキに何枚入ってるの?」
「……………2枚…」
その2枚のカードはクリーチャー。
怠惰大元帥が今までに引いたクリーチャーはその2枚のみ。
そして場には怠惰大元帥のクリーチャーは、まだ1体も出ていない。
なぜその2枚を場に出さないのか?
それは…
両方とも開門クリーチャーだからだった。
開門クリーチャーは場に自分の他のクリーチャーがなければプレイできない。
はい!お解りですね?
開門クリーチャーしか引いて無い怠惰大元帥は、このゲームでまったくクリーチャーを場に出せないのだった!
さすがに後半はそれがひびいて旗色悪し。
そして敗北………………
「うおおー!40枚のデッキに10枚以上の普通クリーチャーを入れてるのにぃぃ!なんで全然ひかねぇんだよぉぉ!」
怠惰大元帥が吠える。
「うがぁぁ!しかも2枚しか入れて無い開門クリーチャーは2枚とも引いたぞぉぉ!でもただの紙だ!ぐああっ!がはっ!」
怠惰大元帥が血を吐いて昏倒する。
………………
その後、悲しみの怠惰大元帥は、ほとんど反則の「ライフ100万点デッキ」で大人げないプレイを繰り返したのだった。
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